対談TALK

サイバーエージェントさんの最近の話題といえば、AbemaTVですよね。

はい、年間200億投資しています！収益化は後でいいと意志決定しています。

そうした経営判断できる人や企業って、なかなかないと思うんです。この間は将棋がすごかったかと･･･。

はい、最後の連勝記録がかかった時は、1,200万視聴を超えました。

あの試合を事前に押さえていたというのが、さすがだなと思いました。

そう、神がかってる感じです。

ブレイクするには、ああいうコンテンツが必要ですよね。ところで本題になりますが、曽山さんと言えばIT業界では人事のスペシャリストとして知られています。今日は、そこに至るプロセスや現在のお考えについて、お話を伺いたいと思います。

わかりました。

ではまず、曽山さんがサイバーエージェントに入社した経緯から教えてください。

就活して大学卒業して、最初は伊勢丹に入りました。ファッションで市場を動かすというのが、すごく面白そうだと思ったんですね。衣食住の衣の部分ですし。

ちなみに大学は私と同じ上智ですが、専攻は何でしたか？

英文学です。

ファッションとは関係ないですね（笑）

まったく関係ないです。文学部で英文学科。ただ大学以前から、ファッションとの接点も少しはありました。昔からヒップホップがすごく好きで、中3の頃からストリートダンスを踊っていて、高校の時はダンス甲子園にも出ているんですよ。全国3位になりました。

それは本格的ですね！

ヒップホップのファッションやカルチャーがすごく好きだったんです。英文学を選んだのも、キング牧師やラップの分析をしたいと思ってのことでした。でも全然関係なかったですが。

ヒップホップと英文学ではさすがに･･･。

でもシェークスピアも戯曲、つまり演劇で使うための文学ですから、韻の踏み方とか強引に結びつけて学んでました。卒業論文もキング牧師の“I have a dream.”のスピーチがなぜあれほど人を惹きつけたのかをテーマにしました。自分でも書いていて面白くて、指導教授にも褒められたんですよ。『これ、本になるかもしれないね』って。

ええと、ストリートダンスがヒップホップでファッションにつながり、そして伊勢丹と。

そうです。あと、組織作りを学びたいという思いもありました。体育会でラクロス部のキャプテンをやっていて、チームスポーツの難しさと面白さを知ったので。だからビジネスドメインというより、分野を問わずすごいチームを作っている会社に入りたいと考えたんです。たとえば業界のナンバーワン企業を中心に、金融や生命保険、百貨店などいろいろ受けました。

伊勢丹に決めたのは？

先輩が人として格好いいと感じました。熱いことを語る人ばかりでした。しかも大きなファッション市場に関われますし。

組織作りや強いチームというのは、まさにいまの仕事に直結している印象です。新卒の頃から人事系の業務が頭にあったんですか？

人事やりたいとか経営側にいたいとか、そこまでの視点は持っていませんでした。ただ早くマネージャーにはなりたいと思っていました。その先はまったく考えて無くて、ただ強い組織をつくりたい、それだけでした。

そのマネージャーは、いわゆる課長職レベルですか？

グループマネージャーくらいのイメージです。30歳くらいまでになれたらいいなと。

組織作りや強いチームと聞くと、志が高そうだなと感じるのですが、そこまでの意識はなかった？

そうですね、ロマンや野望があるわけではありませんでした。

では、その頃から人事をやりたい、という気持ちではなかったのですね。

そうした視点はまだ持っていませんでした。それより現場の中でチームマネジメントを学びたいという思いが強かったですね。大学時代、ラクロスでキャプテンをやっていた経験が元になっています。

チームのリーダー的ポジションが好きと言うことでしょうか。

そうですね、もともと目立ちたがり屋なんです。子どもの頃は一人で目立つことばかり考えていましたが、ラクロスをやるようになってチームの魅力に目覚めました。それでみんなを引っ張って、一緒に強いチームを作れたらいいなと。

ちなみに大学時代、私はハンググライダーをやってました。

えっ、すごい！

SOPHIA SOARING TEAMに所属していました。でもハンググライダーって、完全に個人スポーツじゃないですか。誰も周りにいないですから。

いや、格好いいです。