ASP型サイト内検索ツールとは?特徴・仕組みや選び方を解説
より使いやすいサイト構築には、検索機能が欠かせません。しかし、高度な検索システムを自前で構築するには、膨大な費用や運用コストが必要になり、導入難易度も高いのが難点です。
そこで注目されるのが、ASP型サイト内検索ツールと呼ばれる検索サービスです。インターネット越しに提供されるため、自社サーバーの負荷が軽減されます。また、機能やセキュリティ面のアップデートをサービス事業者が継続的に行う点もメリットです。
この記事では、ASPの基本的な仕組みやメリット、導入時に気をつけたいポイントを中心に解説していきます。
1.ASP型サイト内検索ツールとは?
ASP型サイト内検索ツールとは、ASP会社(アプリケーションサービスプロバイダー)が提供する、検索サービスの一種です。ASPを利用することで、Webサイト内の膨大なコンテンツから、必要な情報を効率的に探し出せます。また、初期投資を抑えつつ、高度な検索システムを利用できる点が特徴です。
ASP型サイト内検索ツールはインターネット経由で提供されるため、自社サーバーに負荷がかかりません。さらに、検索結果の精度を維持するため、プロバイダーによる継続的なアップデートが行われるのも利点の1つです。無料ツールと比べて高精度で豊富な機能を備えており、アップデート時の手間も軽減されます。
1-1.ASP(サイト内検索ツール)の仕組みと主な機能
ASP(サイト内検索ツール)の仕組みは、大きく「クローラー型」と「情報連携型」に分かれます。クローラー型はWebサイト内のHTMLや画像データ、PDFファイルなどの情報を自動で取得・データベース化し、検索結果に表示する仕組みです。一方、情報連携型は、検索に必要となる情報を連携先のフォーマットに変換して連携する仕組みです。
クローラー型はサイト側がデータを送信する手間が不要な分、カテゴリ情報や属性情報などの構造的なデータ解析ができず属性情報の絞り込みができない・データの更新を頻度高く行えないなどのデメリットがあります。一方で、情報連携型はデータを変換し送信する手間が必要な分、商品ごとに構造化されたデータを持つことができるため属性情報の絞り込みを正確に行える・頻度高くデータの更新を行えるなどのメリットがあります。
いずれも、検索クエリ(検索エンジンにユーザーが入力した語句)と条件・情報が一致した場合に結果を返す仕組みで、主にクローラー型は企業サイト、情報連携型はECサイトの商品検索などで用いられます。
主な機能は以下の3つです。
- 高度な検索機能
- キーワードサジェスト
- 絞り込み機能
高度な検索機能では学習型アルゴリズムを活用し、検索内容を解析・最適化します。また、表記ゆれやスペルミスへの対応により、ヒット数が0件になる問題を改善できるでしょう。検索キーワードサジェスト機能は、入力途中での候補の提示により検索の手間を削減し、利便性を向上させます。さらに、絞り込み機能でカテゴリや属性を基に検索対象を絞り込めば、より精度の高い検索が可能です。
1-2.インストール型・オンプレミス・SaaS・クラウドとの違い
サイト内検索ツールは、利用形態によってインストール型・サーバー設置型・クラウド型に分類されます。
インストール型 | システムを購入し、自社サーバーやPCにインストールして利用する形式です。ソフトウェアの買い切り型が多く、初期費用が高額になる傾向にあります。カスタマイズ性に優れるものの、運用や保守には専門知識が必要です。 |
---|---|
サーバー設置型 | パッケージ型とオンプレミス型に分けられます。パッケージ型は既製品をそのまま利用するため迅速に導入できるものの、カスタマイズ性は低めです。オンプレミス型は自社サーバーで運用するため、セキュリティ性やカスタマイズ性に優れる反面、高い初期費用と運用負担が伴います。 |
クラウド型 | インターネット経由でソフトウェアを利用するSaaSが代表例です。システムの更新やメンテナンスを事業者側が行うため、企業の負担が軽減されます。低コストで柔軟に利用でき、導入スピードも速いのが特徴です。 |
これらの違いを踏まえ、事業規模や予算、必要な機能に応じて適切な形態を選ぶことが大切です。ただし、現在はネット回線の高速化に伴う処理速度向上やコスト面の強みから、クラウド型のASPサービスが一般的になっています。
2.ASP(サイト内検索ツール)のメリットと注意点
ASP(サイト内検索ツール)は、Webサイトの訪問者の利便性を向上させつつ、管理者の運営の効率化を実現するツールです。ただし、導入に当たってはメリットとともに注意点も把握しておかなければなりません。以下では、メリットと注意点をそれぞれ解説します。
2-1.ASP(サイト内検索ツール)のメリット
クラウドを介して提供されるASP(サイト内検索ツール)は、オンプレミス型のように自社サーバーや専用ソフトウェアを購入する必要がありません。そのため、大規模な初期費用をかけずに導入可能です。また、サジェスト機能や表記ゆれ対応など、高度な検索機能を標準装備しており、顧客満足度向上に寄与します。
メンテナンスやソフトウェアのアップデートはベンダーが行うため、システム管理・保守の負担を大幅に軽減できます。障害発生時の対応もベンダーに依頼すればよく、専任のITスタッフを用意する必要がありません。これにより、運用コストを抑えつつ、安定したサービスを提供できます。また、サービス提供者が行う定期的なアップデートにより、常に最新の機能を利用できる点もASP方式の大きな強みです。
2-2.ASP(サイト内検索ツール)の注意点
ASP方式のサイト内検索ツールには、カスタマイズの制限とセキュリティ管理の依存という注意点があります。ASPは幅広い企業で利用できる汎用的な設計が基本となっているため、独自の業務フローや特殊な要件に合わせた機能の追加は難しい場合があります。導入前には、提供される機能が自社のニーズに適しているか、十分な確認が必要です。
また、ASPでは共有サーバーを利用することが多く、データ管理やセキュリティ対策をサービス提供者に依存する形となります。そのため、信頼できるベンダーの選定はもちろん、自社でもバックアップ体制を整えるなどの補完的な対応も欠かせません。
3.ASP(サイト内検索ツール)の選び方
ASP(サイト内検索ツール)は、企業のWebサイト運営において重要な役割を果たします。しかし、自社のニーズや利用目的に応じた適切なツールを選ばなければ、期待通りの結果は得られません。以下では、ツール選びで重視すべきポイントを5つ解説します。
3-1.必要な機能を網羅しているか
ASP(サイト内検索ツール)を選ぶ際には、サイトに必要な機能をすべて網羅しているか確認が必要です。基本的な検索機能に加え、絞り込み検索や表記ゆれ対応などの高度な検索支援機能、充実した検索情報の分析機能がそろっているツールがおすすめです。
例として、以下のようなポイントをチェックしましょう。
検索精度向上の方法 | 検索結果の商品のランキングは手動でのチューニングか、AIの機械学習を利用しているのか |
---|---|
表記揺れ・スペルミス対応 | 自社で表記ゆれに対応が必要か、ツール提供企業が対応してくれるか |
絞り込み機能 | サイト特性に合わせ、絞り込み機能のカスタマイズは可能か |
サジェスト機能 | キーワード候補は手動作成か、自動生成か |
導入効果の確認方法 | 検索情報を集約した分析ツールは用意されているか |
耐障害性 | サーバーは1拠点で運用されていないか。冗長構成となっているか |
費用 | 初期費用・月額利用料の他、導入後の機能追加などに対して追加の開発費用は発生しないか |
3-2.機能のカスタマイズは可能か
ASP(サイト内検索ツール)の柔軟性も選定時の重要なポイントです。ASP方式ツールの中には、JavaScriptタグの設置とデザイン調整のみで簡単に実装できるツールもありますが、機能やUIの自由度に欠ける場合があります。
たとえば、検索画面のレイアウトや検索窓のサイズ調整、フィルタ条件の変更など、業種・ジャンル・運営目的に応じて調整できるとよいでしょう。カスタマイズ性が高ければ、よりよいユーザー体験の提供が可能になります。
3-3.レスポンシブデザインに対応しているか
現代のWebユーザーの多くがスマートフォンからアクセスしているため、レスポンシブデザイン対応は必須です。特に、検索機能がモバイル環境でも使いやすいかは必ずチェックしましょう。
タップ操作に適したサジェスト機能や検索条件を直感的に調整できるUIは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上に寄与します。また、レスポンシブ対応していないページが多いサイトはSEOに悪影響を及ぼす場合もあるので、検索エンジンで上位表示されるためにも早期にスマホからも使いやすいサイトを構築しましょう。
3-4.検索精度や速度は問題ないか
検索精度と速度は、ツールの性能を評価する上でもっとも重要な基準です。検索結果の精度が低い、あるいは表示が遅い場合、ユーザーの離脱率が上昇しかねません。
特に、商品数や情報量が多いサイトでは、サーバーへの負担が少なく、高速表示を実現できるツールを選びましょう。AIや自然言語処理を活用して検索精度を向上させているツールであれば、よりよい結果を得られます。
3-5.運用サポート内容は十分か
ASP(サイト内検索ツール)導入後の運用をスムーズに進めるには、充実したサポート体制も欠かせません。導入時の初期設定サポートや、トラブル発生時の迅速な対応が期待できるツールを選ぶとよいでしょう。
また、定期的にアップデートされており、かつカスタマイズの相談が可能なベンダーであれば、安心して長期の運用を続けられます。利用方法のマニュアルやFAQの提供が充実しているかどうかも選定のポイントです。
まとめ
ASP(サイト内検索ツール)は、ユーザー体験向上の鍵を握る高度な検索機能を比較的手軽なコストで利用できる選択肢です。一方で、画一的な仕様が多いため、必要に応じてカスタマイズ性を確保できるかどうかは要チェックとなります。
また、レスポンシブ対応や高速化、サポート体制など、サイトの運営規模や利用目的に合った条件を見極めることが大切です。複数のサービスを比較検討し、信頼できるベンダーを選ぶことで、導入後のメンテナンスやトラブル対応も円滑に進められるでしょう。
ユニサーチはAIが再訪ユーザーの嗜好を学習し、最適なサイト内検索を可能にするサイト内検索ツールです。一人ひとり異なる検索結果を提供する「パーソナライズサーチ」機能や、情報をコンテンツごとに一括で検索可能な「コンテンツ検索機能」など、さまざまな便利な機能を持っています。
-
「ユニサーチ」製品情報
ECサイトの売上アップを らくらく実現する商品検索エンジン
Q&A よくあるご質問
サイト内検索「ユニサーチ」について、お客様から寄せられたよくあるご質問とその回答をご紹介しています。