元 楽天株式会社 取締役 常務執行役員
カーディナル合同会社 代表社員
安武 弘晃様
HIROAKI YASUTAKE
創業メンバーとの縁を頼りに、楽天でアルバイト。
でも、最初に入社したのはNTT。
井上
安武
インターネットの黎明期、1995年か1996年。まだ何もなかった時代のことです。ネットスケープが出てきた頃で、大学でインターネットを使って面白い会社を探そうと思い、当時で言うウェブサーフィンを行っていました。
その時に見つけたのが、「就職戦線異状ありまくり」というサイトでした。昔は有名で、それを運営していたのが本城愼之介さんでした。1995年の秋だったと記憶しています。
井上
安武
修士の1年の頃ですね。当時はネットで就職活動の情報を共有するというのは、そもそも常識の外でした。Eコマースも何もない時代です。メーリングリストという言葉もあるかないかくらいの時に、本城さんがそれをつくっていたんですね。
その時に、彼へメールを打って仲間に入れてもらいました。インターネットの走りの頃の友だちで、実は彼こそが楽天の共同創業者の一人です。三木谷浩史さんと二人で始めたわけですね。同時期に知り合った人には、「みんなの就職活動日記」を立ち上げて楽天に売却した伊藤将雄さんもいました。いま彼は、WEB解析などを行う会社を経営しています。そうした一群の人たちが、本城さんの回りにいたわけです。
井上
安武
当時は同じ年代でビットバレーが流行っていて、松山太河さんがイベントを開催していた時代ですね。ただ、本城さんとは友だちだったものの、就活は別々に行いました。彼は三木谷さんと起業し、私はNTTに入ることを決めました。
とはいえ内定をもらったあとに、「暇でしょう」と声をかけられて、彼のところでアルバイトはしていました。
井上
安武
就職するまでに三木谷さんのところで・・・その時はまだ、楽天はなかったんですよね。とにかく起業しよう、何かやろうとアイデアのディスカッションがあって、天然酵母のパン屋とか、地ビールのレストランとか、いろいろ出ていました。
その中のひとつで、インターネットとはなんぞや、を教えるスクールをやろうとなり、そこにアルバイト講師で行っていました。そのビジネスは医師や弁護士などを対象に行っていたのですが「やはりスケールしないよね」ということになり、楽天市場へ力を入れるようになりました。ネットでものが売れるといいのでは、ということでシステムを作り始めたんです。
井上
安武
1996年の秋です。その時は、NTTに内定もらっていたときです。修士2年の最後の方です。修論のボリュームもそんなにはなかったので。
井上
安武
入っています。楽天株式会社の設立は、1997年の2月。私は会社設立前のプロトタイプをつくっていました。
井上
安武
三木谷さんに「来いよ!」と言われてたのですが、研究室推薦を反故にするのはさすがにまずい、という話をして。裏切り者と言われましたが(笑)
井上
安武
そうですね。ただ、前身の株式会社エム・ディー・エムを経て楽天市場をスタートさせたのは1997年の5月なんですが、そのタイミングでは私はいなかったんです。
モックアップつくってプロトタイプつくって、サービス名決めて、というところまでは立ち会ったのですが、お客様に売り始める時にはいなかったんですね。
井上
安武
マーチャントと契約を開始して、ちゃんと楽天市場というシステムを回したのが1997年の5月1日です。
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