元 楽天株式会社 取締役 常務執行役員
カーディナル合同会社 代表社員
安武 弘晃様
HIROAKI YASUTAKE
成功のエンジンは、「気合いと根性」。
インターネットを知らない人に、泥臭い実行力で広めていった。
井上
安武
気合いと根性の気がします(笑)。凸版さんもモールをやってましたが、出店者さんを集めてものを実際に売るところまで。泥臭いことを何でもやる気合いと根性が違っていたと思います。出店者さんを集めるのも大変で、会議室にタウンページを置いて、ページを破いて、お前はここからここまで全部電話しろ、というのもやってました。
井上
安武
インターネットを何も知らない人にものを売ってもらう、「ほら、こうすると成功するでしょう」、という実績を根性でつくっていました。その泥臭い実行力が成功要因だと思います。
井上
安武
そうですね。
井上
安武
やっぱり利便性でしょうか、当時は他になかったので。
井上
お客様から見たとき、明らかに楽天は便利だったというのが大きかった?
安武
便利よりも、インターネットでものが買えて、届くんだ、わあびっくり!という状況だったと思います。期待値が低かったというか。競合も特にないし、イメージとしては六本木とかで飲んでる人が、「おれネットでもの買ったんだよね、届いたんだよね」「すごいね」と。
井上
安武
今の時代だとビットコインを使うと何かすごそうじゃないですか、そんな感じです。
井上
安武
そうですそうです、アーリーアダプターがリスクを省みずに突っ込むみたいな。今の時代だとビットコインがいいメタファーと言えるでしょうね。
井上
安武
ずっと成長してました。18年か19年、下がってないですね。
井上
安武
いろいろな案件を手がけながら、事業拡大の一環として個人対個人のオークションサイトを立ち上げました。「個人間で取引できるインターネットのサイトがあったら面白くない?」と三木谷さんに聞かれ、面白いですねと答えたら、「じゃあ、つくって」と。指示をもらったのが1999年の5月です。
でも当時は別のオペレーションで忙しかったため、7月にオークションに集中しろと他の仕事を全部剥がされて、新しいオフィスに一人で席を置いて、2カ月でつくりました。それもサービスをつくる、デザインを描く、契約を固める、料率を決める、などなどビジネスモデルの全部をつくりました。
井上
安武
事業計画から全部つくらないと行けなかったですね。そうして9月にリリースしました。当時の名称は楽天フリーマーケットですね。すでにEコマース内にオークションがあったので、その名前にしました。
井上
安武
はい、楽天フリーマーケットも作っていましたし、同時にコアなエンジニアの作業を減らすためのテクニカルサポートもやっていました。
井上
安武
なかったです。すべてを自分たちで開発/運用していました。
井上
安武
創業期の話ですが、三木谷さんと八重洲ブックセンターへ行って、プログラミングならこのへんを読むといいですよ、と伝えたら全部買って帰って・・・。翌日オフィスで、「一晩で半分読んだ、わかった、これは自分でやらない方がいい」と(笑)。それで連れてきたのが、最初のコアなエンジニアとなった私の師匠です。ちなみに三木谷さん自身も簡単なC言語の関数を書いて、そのプログラムは10年くらい現役で動いていました。彼は自分で手を動かしてみる、理解しようという気持ちがある、そういう人ではあります。
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