ヤフー株式会社 代表取締役社長
宮坂 学様
MANABU MIYASAKA
たとえば“爆速”、方向を示すワンフレーズ経営。
井上
宮坂さんで印象に残っているのは、短い端的な言葉です。“爆速”とか、“課題解決エンジン”とか。あれは意図的にやっているわけですか?
宮坂
意図的というか、もともとコピーを書いていたことが大きいと思います。好きなんですね、何かを言語化したり、ポスターなどを作ることが。前職の影響からか、どうしても言葉がコピーライティングのようになってしまいます。受け取る人からすると、想像力を生み出す、刺激するといういい面がある一方で、解釈にブレが出やすいんですね。
井上
なるほど、ヤフーの前は編集プロダクションでしたね。
宮坂
法律の条文のように事細かく説明した方がブレは起きないのですが、それだとインスパイアが何も起きない。ところが短い言葉だけだと解釈がブレブレになって、6000人がそれぞれ独自の受け止め方をすることになります。そうした意味で、さじ加減が難しいんです。
井上
これまでで、うまく定着した言葉は?
宮坂
“爆速”は、当時は広く使っていました。事業を進める上でプロセスが多すぎた、という課題があったためです。“爆速”だから、というひと言で議論が終わるようにしました。
井上
その時は、社内がパッと変わったと聞いています。
宮坂
功罪両方の側面があって、爆速であれば粗製濫造であっても良い、という風潮も見られました。それはそれで修正せねばならず、右に行ったり左に行ったりを細かく繰り返しながら進んでいた感じです。遠くから見るとなんとなく真っ直ぐ進んでいる、でも近寄ってみると、小さくジグザグハンドルを切っている・・・そんなイメージですね。
井上
ヤフーが全社として何をする会社なのか。びしっと言葉で表すということは、できたのでしょうか。
宮坂
情報技術で人や社会の課題を解決する会社になろう、それができたら日本全体を底上げできる。そうした意を込めて、“UPDATE JAPAN”という言い方をしている。テクノロジーで日本をバージョンアップさせるべく、志を掲げています。
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