株式会社サイバーエージェント 取締役 人事統括
曽山 哲人様
TETSUHITO SOYAMA
等級を刻むより、「わかってくれている」安心感を重視。
井上
ちょっと話は変わるのですが、私が最初に入った会社は3万人くらい社員がいました。最初はよくわからなかったのですが、あるとき、完全終身雇用を前提にした、等級と号俸のテーブルがあることを知ったんですね。その道のりの遠さを見て、頭がクラクラしてしまいました。
曽山
非常になだらかに上がっていく、ということですね。
井上
あまりに先が長すぎて、「ここまでいくのに何年かかるんだろ」と、嫌気が差してしまったんですね。
曽山
夢がないですよね。いま、私のホットテーマが「才能開花」なんですが、自分の才能に驚くような化け方をしたら、役割も処遇も上がってしかるべきだと思っています。逆にそれが前提じゃない給与体系や制度には懐疑的です。
井上
そうするとサイバーエージェントのグレードは、目安ぐらいの位置づけですか?
曽山
年齢に関係なく、振れ幅も大きく取っています。下位から上を目指せるように遊びが大きいと言えるでしょうか。事実として、新卒入社28歳でサイバーエージェント本体の取締役になった者もいます。また2011年入社のメンバーも取締役の一人です。業績次第で、若くしてマネージャーになれるどころか役員になれるわけです。
井上
報酬も当然、役員クラス。
曽山
はい、それくらい夢がないと。
井上
その一方で、目立った業績がないとずっと給与はフラットのまま?
曽山
その人がどこを狙っているかにもよります。サイバーエージェントのチームが好きで、いまの職種に満足していて、チームプレイも良くやってくれている。それなら相応の処遇で、ベースアップもしながら、という感じです。
井上
営業職だと、業績に応じてインセンティブを期待する人もいますよね。そうした人は満足できるんですか?
曽山
達成したときのインセンティブはちゃんともらえるようになっています。プラスに積み上がる仕組みですね。
井上
これまでのお話からすると、評価制度とは言っても、点数を細かく出して厳密に昇給を決めていくということではないですね。
曽山
そうしたやり方って嫌ですよね、自分がされたとしたら。どんなに細かく決めたとしても、最後の最後は人間同士の話になってしまうので、ロジカルに割り切れるものでもありません。それより対話に時間をかけて、『ちゃんと見て評価してくれている』という納得感や安心感を重視したほうがいいと考えています。もっと言えば感情重視、でしょうか。
井上
話を聞いてもらえるだけで、人間は満足しますよね。
曽山
わかってもらえているならいいです、という感情はあると思います。
井上
私もヤフーで事業部長をやっていた頃に、たくさんのメンバーと面談をして実感しました。面談の際、泣き出す人が何人もいましたから。ふだんの姿とは想像もつかなくて驚きました。
曽山
そういうことって、ありますね。それはやっぱり、井上さんに対して話しやすいのだと思いますよ。感情が出せるというか。話すこと自体が、ひとつの満足になっているということですね。
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