株式会社バルーン 取締役CXO
本橋 徹様
TETSU MOTOHASHI
Life is a journey with my family. 家族とアドベンチャーを続けたい。
井上
ここでまとめに入りたいと思います。本橋さんの夢を聞かせてください。
本橋
それは逆に私もお聞きしたいです。井上さんの夢って何ですか?
井上
私ですか?私はどんなにお金があったとしても、“これ”と言う何かをやっていたい。なにもしなくて良いはずなのに、それだけは自然とやっているような。私にとってはそれが「検索」なので、引き続きやりながら、信頼できる仲間たちと世の中に貢献したいと思っています。
本橋
家族や仕事以外のプライベートは、どう関わってくるんですか?
井上
家族で言えば、この間、息子の授業参観に行った時に面白い体験をしたんですね。平日の1時間目に国語の発表があるから来て欲しいと頼まれて行ったところ、その時間に来ていたのは私一人でした。なんでみんな来ないのかと言えば、普通に会社に勤めていたりすると、自由な時間を持てないんです。
本橋
私はそこには違和感を覚えます。会社ぐらいの問題なら、私は行きますね
井上
でも息子の通っている学校には、ほとんどいない。授業が終わる頃になって、ようやく3人というレベルでした。私は必ず行くようにしてますから、回りからは「この人、何やってるんだろう」と思われていますよね。
本橋
海外の人なら、暮らしをもっとファミリーオリエンテッドにデザインします。そうできないのであれば辞めますというスタンスを、みんな当たり前のように持っている。会社をここまで優先するロジックが染み渡っている日本社会って、逆にすごいとすら思います。
井上
やっぱり過去、会社が強い時代には、仕事が何にも勝り、言い訳になっていたのでしょう。
本橋
実際、それで毎日が楽しかった
井上
私のいまの生活は、仕事はいつでもできるので、そっち合わせる必要は全然ありません。授業参観があるなら行ってから仕事をすればいい、そう思うわけですね。弊社、ユニナレの社員は全員がそうです。
本橋
その状態で7年続いているというのは、すごいことですよね。
井上
でも普通の会社より高給であるようにしたいとも思っています。
本橋
それでは、夢は叶えたと受け取っていいのでしょうか。
井上
そうですね。ここから先は規模を大きくして社員を増やして上場して、となりがちですが、それは本当に自分がやりたいこととは思えない。そこでいまベンチマークしているのが、“ほぼ日”の糸井さんなんです。なぜ彼は上場したのか、上場しなくてもいいはずなのに。よく言われるのは彼の終活であり、自分がいなくなった後もメンバーが楽しく暮らせる場を残している。その姿を見て自分はどうするか、いまの歳でも考えています。
本橋
そこまで達観できるステージに行かれたのは、すごいと思います。私の場合も、コアは似ている気がします。“Life is a journey with my family”なので、 家族と一緒にアドベンチャーを続けるのがテーマですし、そのためにフィジカルにもメンタルにも経済的にも自由を拡張し続けたい。また違う軸で見ると、人の役に立っていたいというのもあります。これまで働いていての発見ですが、自分のセロトニンが出ている瞬間、ああ気持ちいいと思えるのは、誰かの役に立っていると実感できた時でした。特にそれはクライアントワークでは顕著でした。
一方で今の仕事、C向けのサービスを作っていくプロセスでは、誰のどんな役に立っているのか、これまでよりは感じにくくなりました。とはいえ、新しく入ってきた仲間が気づきを得て嬉しそうにしているとか、メンバーやチームの成長をしっかりと感じられた瞬間は、すごくセロトニンが出ます。
井上
会社の成長という面ではどうですか?
本橋
先ほどの井上さんの話、上場にもつがっていくのですが、それによって自分のセロトニンが出るのか、もっと言えば新しいアドベンチャーの入り口になり得るのかと言えば、いまの範囲だと見えてはいません。人からお金出してもらって友人と創業して、こんな感情を覚えるとは自分でも意外でした。逆に、自分の新しいインナーワールドに触れた気がしています。
井上
ステージが上がって経験が増えると、明確に必要と不要が見えて来ますね。いまの経験は、ものすごく貴重だと思います。今日は、長時間にわたってありがとうございました。
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