パーソナライズド検索とは?サイト内検索のパーソナライズ導入方法まで解説
「パーソナライズド検索とは?」「サイト内検索以外のパーソナライズもあるけど、サイトに何を導入するべき?」と悩む方も多いでしょう。
パーソナライズド検索とは、さまざまなデータからユーザが求める情報を的確に表示できる検索方法です。
本記事では、パーソナライズド検索の概要をはじめ、サイト内検索のパーソナライズについて、導入の影響や導入する方法について紹介します。
目次
パーソナライズド検索とは

パーソナライズド検索とは、検索エンジンやサイト内検索が、ユーザーごとのデータをもとに、一人ひとりに最適化した検索結果を表示する仕組みです。
同じキーワードで検索しても、ユーザーの状況や行動履歴によって表示結果が異なることがあり、これがパーソナライズド検索の特徴です。
パーソナライズド検索には、大きく分けて次の2種類があります。
- Web検索エンジンにおけるパーソナライズ
- サイト内検索におけるパーソナライズ
どちらも「ユーザーごとに最適な結果を提示する」点で共通していますが、Web検索はインターネット全体を対象にしているのに対し、サイト内検索は自社サイト内部のデータに限定されている点が異なります。
パーソナライズド検索に影響するユーザーデータ
GoogleのようなWeb検索エンジンでは、以下のようなユーザーデータを参考に検索結果のパーソナライズが行われています。
- 現在地
- 検索するデバイス
- 検索履歴
- 閲覧履歴
- SNSのつながりや投稿
これらの中で特に重要なのが「現在地」と「直近の行動データ」です。一方で閲覧履歴やSNS情報は以前よりも影響度が低くなっているとされます。
また、Googleでは検索履歴や閲覧履歴だけでなく、Googleのその他サービスの利用履歴もパーソナライズに影響する可能性があります。たとえば、Googleマップでの検索・行動履歴などは、Googleアカウントの「Web&App Activity」に含まれるデータの一種として扱われることがあり、検索におけるパーソナライズに活用される可能性があります。
Google画像検索やその他の Google サービスの利用履歴も同様に、過去の関心や行動パターンとして参照されることがあります。
ローカライズ検索との違い
ローカライズ検索とは、ユーザーの「現在地」に基づいて最適な検索結果を表示する仕組みです。
たとえば、「旅館」というキーワードで検索した場合、東京で検索すれば東京都の旅館が、博多で検索すれば博多周辺の旅館が上位に表示されます。このように場所(地域)を軸に結果を変動させるのがローカライズ検索の特徴です。
一方、パーソナライズド検索は「ユーザー個人」に焦点を当て、行動履歴・関心・デバイス・属性など多様な情報で検索結果を調整します。ただし、パーソナライズの中に「位置情報」も含まれるため、ローカライズ検索をパーソナライズの一部と捉える考え方もあります。
パーソナライズド検索を無効にする方法
自分のサイトの正確な順位や、検索結果を確認したい場合、以下のような方法でGoogleのパーソナライズド検索の影響を無効化できます。
- 検索結果のURLに「&pws=0」を付与する
- シークレットモードで検索する
- 検索順位計測ツールを利用する
- Googleの設定でパーソナライズをオフにする
検索結果のURLに「&pws=0」を付与する
Googleで検索した後、結果ページのURL末尾に「&pws=0」というパラメータを追加して再読み込みすると、パーソナライズド検索が無効化されます。

この方法では、検索履歴や閲覧履歴の影響が排除され、フラットな順位を確認できます。ただしユーザーの所在地情報は使われるため、完全に同一条件の結果にはならない点には注意が必要です。
シークレットモードで検索する
ChromeやEdgeなどのブラウザに搭載されているシークレットモードを使うと、ログイン状態・クッキー・検索履歴などが一切引き継がれず、新規のユーザーとして検索できます。
シークレットモードの使い方は、使用しているデバイスやブラウザによって異なります。たとえば、Macの場合は「command +Shift +N」をクリックすると、以下の画面が表示されます。

ただし、この方法でも「位置情報」だけはブラウザ側で保持されたままになるため、地域による検索差は残ります。正確な順位を判断する際は、完全にフラットにはならない点を理解しながら使う必要があります。
検索順位計測ツールを利用する
確度の高い方法として、パーソナライズの影響を受けない専用の順位チェックツールを利用する方法もあります。
たとえば、Googleサーチコンソールでは、自分のサイトがどのキーワードでどの程度の順位・表示回数・クリック数を獲得しているのかを、パーソナライズの影響を排除した状態で確認できます。

また、Gyro-n SEOや各種順位計測ツールを使えば、特定のキーワードの順位を継続的に記録・比較することができます。ログイン状態や検索履歴の影響を受けないため、手動検索よりも確実で、SEO施策の評価にも利用できます。
サイト内検索のパーソナライズとは

次に、ECサイトなど自社サイト内検索におけるパーソナライズについて解説します。サイト内検索のパーソナライズとは、サイト内の検索結果をユーザーごとにカスタマイズすることを指します。
具体的には、ユーザーの過去の閲覧・購買データや会員情報を活用して、同じキーワード検索でもユーザーごとに異なる商品が上位に出たり、見せ方を変えたりする仕組みです。
Aさんの好みや購入履歴に合った商品を優先表示し、初めて来たBさんには人気商品やセール品を中心に表示するといった調整が考えられます。
たとえばECサイトでは、これにより、それぞれのユーザーがより欲しい商品を見つけやすくなり、サイトの利便性・顧客満足度が向上します。
サイト内検索のパーソナライズには様々なアプローチがありますが、主な方法として以下のようなものが挙げられます。
購買行動データを使ったパーソナライズ
ユーザーがこれまでに閲覧した商品や購入した商品データをもとに、検索結果をその人に合った内容へ最適化する方法です。サイト内で収集される「どんな商品を見たか」「何を買ったか」という行動データを活用し、ユーザーにとって関連性の高い商品を検索結果の上位に表示します。
たとえば、日用品のサイトで以前から特定の銘柄の水を購入しているユーザーには、サイト全体で売れ筋の水ではなく、よく購入している銘柄の水を上位に表示します。

また、検索サジェスト機能にも購買・検索行動データを活用できます。ユーザーが検索窓に文字を入力し始めると候補キーワードが表示される機能ですが、ここにそのユーザーが過去に検索したキーワードを優先的に表示することが可能です。
検索サジェスト機能については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
サジェスト機能とは?仕組みや実装方法・ECサイトでの活用術を解説
属性を使ったパーソナライズ
ユーザーの属性データを活用して、検索結果を調整する方法です。ユーザーが会員登録しているサイトであれば、そのプロフィール情報に基づき表示内容を変えることができます。
たとえば、20代女性のユーザーには20代女性に人気のブランドや新作商品を上位に表示し、50代男性のユーザーには落ち着いたデザインの商品を目立たせる、といった工夫が考えられます。
属性によるパーソナライズを行うことで、ユーザーは「自分向けの結果」が表示されていると感じやすくなります。実際、ユーザーの多くは自分に関係のない商品よりも、自分の興味・関心に沿った商品に目を留めるため、年代・性別ごとの嗜好傾向を検索結果に反映させることは効果的です。
居住地/店舗情報を使ったパーソナライズ
ユーザーの居住地域や最寄り店舗の情報を用いて検索結果を変える方法です。地域ごとに売れ筋の商品や在庫状況が異なる場合、サイト内検索でもその地域性を考慮するとユーザー体験が向上します。
たとえば、寒冷地に住むユーザーには冬物商品の検索結果を充実させ、暖かい地域のユーザーには通年使える商品の結果を重視するといった具合です。また、実店舗と連携しているECサイトであれば、ユーザーの最寄り店舗在庫を検索結果に反映することも可能です。
地域や店舗の情報を活かすことで、ユーザーに「近隣で手に入る商品」を優先的に知らせることができ、購買意欲を後押しします。特に食品や日用品など地域ごとに需要が異なる商品カテゴリでは、居住地ベースのパーソナライズが効果的です。
サイト内検索のパーソナライズが与える影響
サイト内検索のパーソナライズ機能を導入すると、ユーザー体験やビジネス上のKPIにさまざまなプラスの効果をもたらします。ここでは主な影響を4つ紹介します。
- 顧客満足度の向上
- 購買率の上昇
- 離脱率の減少
- 費用対効果の高い施策の実行
影響①顧客満足度の向上
パーソナライズされたサイト内検索では、ユーザーそれぞれの興味・関心に即した検索結果を表示できるため、「欲しいものがすぐ見つかる」という満足感につながります。一人ひとりのニーズにきめ細かく応えることで、結果として顧客満足度が向上する点がメリットです。
たとえばECサイトで、以前購入したブランドの新商品が検索結果に表示されたら、「自分の好みを覚えてくれている」とユーザーは感じるでしょう。同様に、過去に見た商品に関連するアイテムが表示されれば、「そういえばこれも必要だった」と気づくきっかけになります。
このようにパーソナライズ検索はユーザー体験の質を高めることで満足度を上げ、サイトへのロイヤルティ向上にも寄与します。
影響②購買率の上昇
サイト内検索を使うユーザーはもともと購買意欲が高く、検索を使わないユーザーと比べてコンバージョン率(CVR)が2〜6倍高い傾向にあります。これは、サイト内検索をするユーザーは「今すぐ知りたい・買いたい」という強い意図を持っているためです。
こうした高意欲ユーザーに対してパーソナライズ機能を導入すると、更なるコンバージョン率の向上が期待できます。なぜなら、パーソナライズによって検索結果の精度が上がり、ユーザーが探している商品を即座に提示できるからです。
パーソナライズなしの場合、検索結果一覧の2ページ目以降に埋もれていたかもしれない商品でも、個々人に合わせて上位に表示されれば購入機会を逃しません。
影響③離脱率の減少
ユーザーがサイト内検索を使ったにもかかわらず「目当ての商品が見つからない」場合、失望してそのままサイトから離脱してしまうケースが多くあります。
しかし、パーソナライズ機能を備えた検索であれば、ユーザーの意図や好みに合った商品を優先的に表示できるため、「見当違いな商品ばかり表示される」といった事態を減らせます。
影響④費用対効果の高い施策の実行
サイト内検索のパーソナライズ強化は、費用対効果の高い改善施策といえます。新規の集客施策と異なり、既にサイトに訪れているユーザーを相手にコンバージョン率を上げる取り組みなので、追加の集客コストが不要だからです。
極端に言えば、今のアクセス数を維持したまま離脱を減らし購買率を上げるだけで売上アップにつながるため、広告費を増やして新規訪問者を50%増やすよりも、離脱率を10%改善する方が簡単かつROIが高いのです。
また、パーソナライズ機能の導入にはツール利用料や開発コストがかかるものの、一度実装すれば継続的に効果を発揮します。ここで「どのようなツールを導入すればいいかわからない」という方は、「ユニサーチ」の利用を検討してみてください。
ユニサーチでは、ECサイトで成果につながる売上直結型のサイト内検索を実現できるよう、パーソナライズ機能も含めた検索精度を向上する機能を多数搭載しています。
特に、ユーザーの検索意図を正確に読み取る高精度の検索アルゴリズムや、購入履歴・閲覧履歴を活かしたパーソナライズ表示など、「検索から売上までの導線」を最適化する仕組みが揃っている点が特徴です。まずは以下の資料をダウンロードして、事例や機能詳細を確認してください。
自社サイトにパーソナライズ検索を導入する方法

実際に自社のウェブサイトにパーソナライズ検索機能を取り入れるにはどうすればよいのでしょうか。大きく分けて2つのアプローチがあります。
- サイト内検索ツールを利用する
- 自社で検索エンジンを構築・カスタマイズする
方法①サイト内検索ツールを利用する
手軽かつ確実な方法は、専用のサイト内検索ツールを導入することです。近年では、ECサイト向けに高度な検索機能を備えたクラウドサービスやプラグインが数多く提供されています。ツールを使えば、自社でゼロから開発することなく短期間でパーソナライズ検索を実現できます。
自前でパーソナライズの仕組みを構築しようとすると、ユーザーの膨大な行動データの収集と管理、リアルタイムに検索結果を生成する高速な処理など、高度な技術が必要です。
しかし、専門のサイト内検索サービスであれば、パッケージ化されており、導入するだけで即座に利用可能です。
方法②自社で検索エンジンを構築・カスタマイズする
もう一つの方法は、独自の検索システムを開発・運用することです。自社でイチから構築する場合、設計次第で思い通りの柔軟な機能を実装できるというメリットがあります。
たとえば、特殊な商品データ構造に合わせた検索アルゴリズムや、独自のレコメンドロジックなど、外部ツールでは対応が難しい要件も自社開発なら実現可能です。
しかし、独自開発には高いコストと専門知識が必要です。大規模サイトの場合、検索インデックスの構築やサーバーインフラ、データ分析基盤など、準備すべきものが多岐にわたります。
また、開発後も精度改善やセキュリティ対応など継続的なメンテナンスが必要。十分取り組めるリソースが社内にある場合のみ、独自構築はおすすめです。
サイト内検索以外のパーソナライズ
パーソナライズは検索結果以外の場面でも活用されています。ここでは、サイト内検索以外で代表的なパーソナライズ手法を2つ紹介します。
- レコメンドエンジンによるパーソナライズ
- 履歴サジェストによるパーソナライズ
レコメンドエンジンによるパーソナライズ
レコメンドエンジンとは、ユーザーの行動データをもとに、一人ひとりに最適な商品やコンテンツを自動で提示する仕組みです。ECサイトでよく見る「あなたへのおすすめ」欄や動画配信サービスの「おすすめ動画」は、このレコメンド機能によるものです。
レコメンドエンジンの特徴は、単に「過去に見たもの」をそのまま再表示するだけでなく、類似商品や関連性の高いアイテムまで含めて提案できる点です。
たとえば、ユーザーが以前にスマートフォンを購入していたら、ケースやイヤホンなどのアクセサリをおすすめしたり、関連する最新ガジェットを紹介する、といった具合です。
また、ユーザー自身がまだ気づいていない潜在的なニーズまで読み取って提示する高度なレコメンドエンジンもあります。「他の人はこんな商品も買っています」というレコメンドが典型で、これによりユーザーの視野が広がり、新たな購買意欲を喚起する効果があります。
履歴サジェストによるパーソナライズ
履歴サジェストによるパーソナライズとは、ユーザーが過去に検索したキーワード履歴をもとに、検索窓にタイピングを始める前の段階で過去の検索キーワード候補を表示する仕組みです。例えば下の画像は、ECサイトの検索バーをクリックした際に表示される過去の検索キーワード一覧の例です。

ユーザーがキーワードを一字も入力しなくても、自分が以前検索した「牛乳」「シャンプー」「プロテイン」などの履歴が表示されており、クリック一つで再検索できます。
また、入力した文字に関連するキーワード候補の中に、過去に検索したキーワードが含まれる場合はそのキーワードを上位に表示する機能などもあります。下記はその例です。

「z」1文字の入力で過去検索したことのある「ジレ」「ジャージ」等のワードを自然に上位に提示しています。
履歴サジェストは検索の手間を減らしながら目的の商品により短いステップで到達できる点がメリットです。
また、キーワード履歴をクラウド上に保存する事で、ECサイトにログインしているユーザーであれば、デバイスをまたいでもキーワード履歴を共通で利用することができます。
サイト内検索のパーソナライズ導入は「ユニサーチ」
ここまで見てきたように、パーソナライズ検索はユーザー体験と売上向上に貢献します。自社サイトへのパーソナライズド機能導入を検討中でしたら、ユニサーチの活用がおすすめです。

ユニサーチは、ECサイト向けに高度な検索最適化機能を備えたサービスです。今回解説したパーソナライズ機能をはじめ、
- 充実した検索サジェスト
- 表記ゆれやタイプミスへの対応
- 高速な検索処理
など、ECサイトの検索体験を底上げするさまざまな機能が利用できます。ユニサーチを導入するだけで、ユーザー一人ひとりに最適化された検索結果表示や履歴を活用したサジェストが提供可能です。
まずは以下のリンクから、資料ダウンロードを行い、導入事例や機能詳細を確認してみてください。
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